不良在庫(土地)が売れる


松本市   平岩 正雄

教祖様、日々、御守護賜りまして、誠にありがとうございます。
 平成22年4月16日(10年前)のことでした。市街化調整区域内の50坪(宅地)を仕入れした時のことです。
 元々この土地は、売主の在庫を処分して欲しいという依頼を受けた物件でした。当時、土地神話は崩れ、世の中は、デフレ不況の真っただ中でありました。
 不動産業界も同様、リーマンショックの尾を引き、不景気な時代でありました。
 調整区域の宅地でも、ここは特定開発区域に指定されているため、最低60坪あれば家は建てられるし、転売も可能でありましたので、60坪の売買ならこの土地を購入しても危険負担はないものと思っておりました。ですから、60坪が売買の最低条件である旨を記して、売買に応諾致しました。
 さて、50坪の売買契約が終了し、所有権も私に移りましたので、あと10坪の仕入れに移行しました。ところが、この10坪の土地は西隣の住人に売却済となっており、私との売買契約が成立しません。私は騙されたのであります。
 そこで西隣の住人に、『この10坪を未使用なら私に売って下さい』と愛想懇願しましたが、聞く耳がありません。時価の三倍の値を付けて話に乗ってくれません。とうとう私は諦めてしまいました。この土地は不良在庫として生涯保有し、固定資産税を払い続けなければなりません。腹が立って腹が立って仕方がありませんでした。
 仲介者に買い戻すよう迫りましたが、力不足でどうすることも出来ませんでした。長いこと泣き寝入りしてきた物件でした。
 ところがある日、突然、その仲介業者から『この土地が売れそうだ』との連絡が入りまして、『あなたも知っている通り、50坪しかないのだよ!60坪に足らないのだから、宅地として家を建つことが出来ない。騙すことは出来ないぞ』と返事をしたところ、なんと、『宅地としてではなく、駐車場として欲しい人がいるんだよ』とのことでした。私はビックリしてしまいました。
 苦節10年、ついに
教祖様が、東隣に駐車場のない学習塾を呼んで来てくれたのであります。確かに東隣には、長いこと、晒し物件となっていた中古建物が存在しておりましたが、いつの間にか、この物件を購入したのが、この学習塾でありました。
 普通ですと、学生のために、まず駐車場を獲得してから物件を買うのが通常でありましょう。それを逆にして
教祖様が、先に物件を買わせてくれたため、今回のこの取引となったのであります。

 お蔭様で来年からは高い固定資産税を支払わなくても済むこととなりました。
教祖様、誠にありがとうございました。
 本日は、貴重なお時間を御礼言上させて頂き、誠にありがとうございました。