新しい”世界の夜明け”を告げる鶏鳴のひびき

一日に夜と昼があるように、人類がこの地上に発生して滅亡するまでには、将来への準備期すなわち夜の時代と、その活動期すなわち昼の時代とがある。

植物でも、種子が蒔かれて暗黒の地中において発芽する不自由な準備期と、やがて明るい地上に出て、自由に繁茂伸長する活動期とがある。

子供ならば、母親の胎内にいる時代が準備期であって、それは不自由な暗黒時代、そしてつぎには光明と自由のこの世に出てくる。

そして人類も、明治の頃までがその夜の時代に相当し、いまは夜から昼の時代へ転換してゆく丑満時(うしみつどき)が過ぎ、鶏でいえば一番どりが歌って夜明けを告げている時期である。そしてまもなく21世紀を迎えるが、そのときからいよいよ昼の時代に大転換することになる。

それは現代の物質科学時代から、物心を超越した真理の太陽が出現する時代である。

さてすべてのものは、その時代に応じて生まれてくる。したがって、これまでの宗教は、夜の時代にふさわしく、みな陰(いん)の宗教であった。キリスト教でも、仏教でも、またマホメット教もみな陰の宗教であった。ただしそのなかにたった一つ、陽の宗教がある。それは日本の神道であって、昼の時代を迎えると、それが表面に現われてくる。

陰の宗教である仏教やキリスト教は、鐘を鳴らすが、陽の宗教である神道は、太鼓を叩く。戦争でも進むときには太鼓を叩き、退くときには鐘を鳴らすように、陰は暗く、陽は明るい表現をする。

陰は陰、陽は陽の感化をうけて現われてくる。

地球上では陸が陰、海が陽となる。大地は起伏があり、変化するようで固定して変化がなく、その陸の感化をうけて生まれたのが仏教、キリスト教、マホメット教である。

これに対し、海は一見変化がないように見えても、陸に比較すれば常に活動し動揺をつづけている。しかも海は地球の3分の2からの面積があり、そこには7つの海があって、その中でも最大の海、太平洋をはじめとして四方海に囲まれた日本は、海の感化をうけて、そこに生まれたが日本の神道である。

その神道は、時期がくるまで「言挙(ことあげ)せず」といって、その原理を解明せずにただ信じてきた。またその深遠な原理はいまだ誰も体得していない。

 

仏教には八万四千の経文があるというが、日本の神道にはそんなに多くの経文はない。しかし、そのなかには最高究極の哲理が含まれている

それが昼の時代が来て、人智がそこまで進むと、仏教の八万四千の経文以上の原理が表面に現われてきて、日本神道の真髄が明らかになり、その理法を人間生活に当てはめれば、世界は共存共栄、対立摩擦のない平和な時代を迎える。

そして人類からは死の恐怖がなくなる。現実に恐怖観念がなくなるから、自己の天分を発揮し、天与の最高生活を営むことができ、そこまでゆけば、国境もなく、また個人間の摩擦対立もなくなることになる。

 

その真理のとどろきが、この21世紀には怒涛のような勢いで世界全人類のうえに響きわたり、それが来たるべき世界の光明となり、指導原理となってゆく。それが昔から“光は東方より”といわれている所以である。

名は性を表わすといって、日本は世界でただ一つ、太陽を国のしるしの国旗とし、アメリカは星をもってそれを表現しているが、それも自然のうちに生まれてきたものである。

今日まで「言挙せず」にきた日本神道の真髄が、時期が来てはじめて産ぶ声をあげ、その指導原理により世界が救われるのであるが、その中心原動力となって出現されたのが教祖様である。

ゆえに教祖様の御教えのなかには、一切万有、時空を貫いた最高指導原理が潜在して、その理法に従うときには、あらゆる矛盾が解消し、今日まで求めようとして求め得られなかった地上天国、現世極楽が展開する。

もし人々がこれに目覚めず、これを用いないときは、その逆の、一瞬にして消滅する実に恐ろしい危険な状態に直面している。

ゆえに人は、この明け方の鶏鳴に耳を傾け、心眼を開き、正しい信仰にはいって自己を完成し、また世のため全人類のために立ち上がり、今日の最悪の状態を最善の境涯に転換せしめねばならぬ時に直面している。